SAMPLE COMPANY

日本周辺の海流(

黒潮や渦による海水や物質輸送)

 日本本州南岸に沿うように黒潮という強い海流が流れていて,日本に温かい水を輸送し,黒潮は日本の漁業資源や気象に重要な役割を果たしています.日本周辺には,黒潮のみならず,日本海に流入した黒潮から形成される対馬暖流やリマン海流,対馬暖流が津軽海峡を経て再び太平洋へと戻り津軽暖流として三陸沿岸を南下しています.さらに北方からは冷たい親潮が流入し,多種多様な性質を持った海水(水塊)が日本周辺の海洋環境を形成しています.




黒潮や渦による海水や物質輸送)

これまで潮汐による効果は着目されることが少なかったのですが,Masunaga et al. (2018)が行った研究により伊豆小笠原海嶺の浅い海嶺地形により強化される潮汐流が海水運動に強い影響を与えていることを明らかにしました.また黒潮と潮汐が干渉することで特殊な波動現象を発生させることも明らかにしています(Masunaga et al., 2019).黒潮や親潮などの大規模な流れに加えて,潮汐による擾乱や沿岸地形の影響により小規模な渦が発達し,小規模渦(サブメソスケール渦)が物質輸送にとって重要であることが少しずつ明らかになってきました(木村ら2019,井上ら2021,Masunaga et al., 2022,原田ら2023).またこれらの複雑な渦現象は海洋生態系の維持にとって必要不可欠であることもわかってきました (Zhang et al. 2022).日本周辺を取り囲む複雑な海洋構造を把握するために,数値シミュレーションや海洋観測を行い研究を進めています.


Video 1. 東日本南岸海域の数値シミュレーション結果.色は海面水温を表している.



Figure2. 夏季(左)及び冬季(右)の海面付近の小規模渦構造を可視化した結果(無次元相対渦度)(Masunaga etal., 2022). 伊豆小笠原海嶺や沿岸によって強められる渦や,冬季の海面冷却によって強化される渦運動が現れいている.